【綾辻行人】館シリーズを完全なる主観で紹介するVol.01

 

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こんにちは。てんらいです。

ミステリー好きであればよく知っている(かもしれない)綾辻行人さんの館シリーズ

私も綾辻行人さんのファンで、館シリーズは繰り返し読んでおります。

 

そこで今回は、館シリーズを完全なる主観で評価した上で紹介したいと思います。

 

主な評価指標は以下の3つで、★の数で評価したいと思います。

(星の数は1~5で、数が多いほど良いということで)

 

 

①ミステリー度

→裏切られ度とも言えるかもしれません 。

 

②犯人の動機納得度

 →動機がしっくりくるかどうか、です。

 

③館素敵度

館シリーズなので、当然特徴のある館が出てきます。今回は自分の勝手な判断で館の好み(意匠的に)を評価しました。

 

ネタバレを防ぐべく、犯人の名前やトリックの詳細は書かないように気を付けます。

 

 

1.十角館の殺人

 

館シリーズ第1弾ということで最も読まれている作品でもあるでしょう。

 

①ミステリー度★★★★★

この小説には犯人に関する有名な1文があるのですが、何度読んでも流石だなと思わせてくれます。

 

②犯人の動機納得度★★★

犯人の動機の一つは復讐(読んでいればすぐわかる)なのですが、このやり方だと、被害者たちはなぜ自分たちが殺されたのか分からないまま死んでいくことになります。正直納得感は低く、個人的には、このようなやり方で復讐になっているのか(=自分の気持を消化出来るのか)疑問です。ただ、犯人の人物像として複雑な心情があるようなので、このやり方で犯人としては満足なんだと理解するしかありません。

 

 

③館素敵度★★★

十角館・・・学生の設計課題でこんな形にしたら、「なぜ、十角なんだ!」と厳しく問い詰められそうな造りになっていますね。新装改訂版では、改めて十角館が表紙に描かれていますが、思ったよりこじんまりしている印象。

 

 

2.水車館の殺人

①ミステリー度★★★★★

洋館、仮面の当主、寡黙な執事。嵐で孤立する館で起きる殺人事件という「これぞミステリーの様式美」とでも言いたげな設定が既に楽しいです。

伏線回収も素晴らしいですし、文句なしの★5です。

 

②犯人の動機納得度★★

納得できない。百歩譲って恨みがあるのは分かるけど、結局身を隠したいのと女を一人占めしたいだけだろ!とツッコミたくなる、なかなか身勝手な奴。

 

③館素敵度★★★★★

洋風の館はそれだけで、ミステリーの舞台として映えますなあ・・・。水車もなんだか象徴的ですし、中庭形式ゆえの伏線もあるので個人的には館シリーズの中でも特に好きなシチュエーションです。

 

 

 

3.迷路館の殺人

①ミステリー度★★★★★

作中の分かりやすい餌に釣られて「これは死んだと思われるアイツが生きているパターン!」と思い上がりも甚だしく、案の定最後に「お前ごときが想像出来る結末でミステリーが書けると思うな!」と叱られる気分でした。笑

この分かりやすい餌は確実に綾辻さんがミスリードを仕込んでいますね。すごい。手のひらで踊らされているだけでした。

小説としては、作中作という「小説の中で小説が展開される」構成となっており、小説を書いた人物は誰なのか?その目的は?真の犯人は?と怒涛の種明かしは必見。

 

②犯人の動機納得度★★

これもあまり納得できず。ここまでの3冊いずれも動機の納得度という観点から考えると大体引っ掛かりを覚えます。やはり、所詮個人の心情など他人には理解出来ないということなのですかね。またそれを前提として作者も割り切って書いているのかもしれない。

  

 ③館素敵度★★

 この館特有のトリックもあり、迷路館の特性が活かされているなと感じる一方、消防法上どうなんだ!(特建ではないだろうけど)という職業病的に気になるところが山ほどあります。

 

 

今回はここまで。

皆さんの感想も大歓迎です。コメントよりお願いします。

館シリーズはまだまだあるので、そのうち続きを書きます。

 

小説の記事一覧はこちら

comprehensive-lifehack.hatenablog.jp

 

 

てんらい