【東北6県】東北を舞台とした小説6選

 

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こんにちは。てんらいです。

今回は新しいシリーズ。“都道府県”です。 

どういった分け方にするかは記事をまとめながら決めていくつもりですが、まずは“東北地方”を舞台とした小説を集めてみました。題名横のカッコ内に、舞台となった都道府県を示しています。

地域性が薄い小説も選んでいますが、“地域性があってもそもそも面白くない小説”を省いた結果であったりするのでご了承ください。

 

 

 

 

1.津軽百年食堂(青森)

 (小学館文庫 著:森沢明夫

明治から現代まで百年続く、青森県弘前にある食堂。食堂を開店した初代賢治とトヨ夫婦の出会いから始まり、4代目となる陽一と七海の恋までの百年のスケールを感じられるだけでなく、連綿と続く先代からの思いが詰まった食堂の魅力が読んでいて心地よい。

森沢さんはこの小説で初めて知ったのですが、人と人との繋がりを描くのが上手いなと思いました。津軽蕎麦を食べたくなるのは私だけではないはず。

 

映画にもなりました。

 

 

2.邂逅の森(秋田)

 (文春文庫 著:熊谷達也

邂逅(かいこう)という聞き慣れない単語が使われていますね。“めぐりあい”的な意味があるようです。

秋田の貧しい小作農の家に次男で生まれた主人公富治のマタギ(猟師)の話。当時の狩猟文化や時代背景、登場人物の心の機微が巧みに描かれており、マタギの人生をリアルに垣間見ることが出来ます。特にヌシである巨大熊との対決シーンは必見です。

直木賞山本周五郎賞を受賞。

 

 

 

3.吉里吉里人(岩手)

新潮文庫 著:井上ひさし

吉里吉里とは、岩手県大槌町の地名です。

本作の中身はというと、東北の一寒村が吉里吉里国と名乗り日本からの独立を宣言するという話。奇想天外というか、荒唐無稽というか・・・、発想が面白いです。

昔、縁あって吉里吉里を含めた大槌町に数年出入りしていたので、この土地柄を割と知っているのですが、吉里吉里の方々の地元愛は非常に強いので、この小説もあまり違和感がないです。(もちろん、独立を試みるようなヤバイ人はいない笑)

 

なお、全体的に冗長な部分があり、かつ上中下巻という大作なので、ハマらない方には苦痛かもしれません。

 

 

 

4.護られなかった者たちへ(宮城)

NHK出版 著:中山七里)

仙台市の保健福祉事務所課長の三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見されたことから話が始まり、生活困窮者に対する福祉政策への問題へと繋がっていく社会派ミステリ。

 

 

 

5.シンセミア(山形)

講談社文庫 著:阿部和重

著者の出身地である山形県東根市神町を舞台にしたノワールといったところです。登場人物が悪人だらけで、悪人が悪事を働き、物語はカオスを極めます。頼むからまともな登場人物を出してくれ!と祈るような気持ちになり、途中で挫折しそうになりながらも“どういう結末が待っているか見届けようではないか”と読破した作品。褒めているのか貶しているのか自分でも分からなくなってきました。

 

 

 

6.彼女の人生は間違いじゃない(福島)

河出文庫 著:廣木隆一

福島出身の映画監督である廣木さんが執筆した小説。

2011年の東日本大震災後の福島県いわき市で市職員として働く女性が主人公。彼女は週末になると夜行バスで東京に向かいますが、その目的は遊びではありません。

もちろんフィクションですが、本当にいるような気がする、震災後のフクシマで生きる女性を描いた作品です。

 

映画にもなりました。

 

 

 

 

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てんらい