全てのオフィスワーカーに捧ぐお仕事系小説3選!

 

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 こんにちは。てんらいです。

 

 今回は、お仕事系小説ということで、私自身オフィスワーカーをしているので大好物のジャンルです。

 働くというのは、楽しいこともありますが、面倒で気乗りしないようなことが大半ですよね。そんな苦楽混在の行為を経験している方なら、お仕事系の小説を通して世の作家が伝えたいと思っているメッセージは、確実に心に響くはず。

 というわけで、とりあえず今回は3つご紹介します。

 

 

1.この世にたやすい仕事はない

新潮文庫 著:津村記久子

 

 長年勤めていた会社で燃え尽きてしまった女性が、今までとは違うライトでドライな関係を求めて、ちょっと変わった仕事を転々とする話です。

 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、仕事の内容は確かに少し変わっていて、なかなか良いチョイス。面白いです。

 ただ、主人公の仕事との距離のとり方(不要に深入りをして疲れるところ等)にもどかしさを感じざるをえないですが、そもそもドライな関係を保てる人は燃え尽きないので、設定上の矛盾はないのかもしれませんし、こういう距離感の難しさを描きたかったんだろうなと思います。

 また、この小説を読んでいて思ったのは、仕事に傾倒しすぎて疲れってしまった人が職を変えたとしてもなかなか上手くいかないのかもしれないということです。やはり。距離のとり方を変えるためには、仕事ではなく自分を変えないといけないのかな?と。 

 かくいう私も、以前はかなり仕事にのめり込むタイプだったので、この主人公の気持ちはよく分かります。

 

 

2.ちょっと今から仕事をやめてくる

メディアワークス文庫 著:北川恵海)

 

 

 所謂”ブラック企業”で働く主人公が、意味を見出せない人生に終止符を打とうと自殺しようとした。その時、急に現れた”自らを同級生と名乗る”ヤマモトに救われることで話が始まります。

 この物語のスパイスとなっているヤマモトに、若干の不信感を抱くことになるのですが、その不信感の正体は是非、読んで確かめてほしいです。

 作中のヤマモトの行動には、明確な理由がないと納得感が得られないものになっています。そのあたりも最後まで読むとすんなり入ってくるので、上手くまとめられているなーと思いました。

 “辞職と自殺の難易”や”逃げ方の教え方”など、北川先生からのメッセージがたくさん伝わってきますので、働く社会人の皆さんに是非読んでほしい一冊です。

 

 ちなみに、続編とマンガも出ています。マンガは読んだことがないので、なんとも言えませんが、続編は面白かったのでそのうち記事にしようかな。

 

 

 

 

3.星間商事株式会社社史編纂室

 (ちくま文庫 著:三浦しをん

 

 

 三浦先生の作品ですね。他に大好きな本があるので、そのうち書きたい・・・。

 今回は社史編纂室という窓際感の漂う部署で働く人達のお話です。社史編纂という、まあ最悪無くても困らない仕事を進める中で、主人公たちは思いがけず、不穏な会社の謎に足を踏み入れていきます。

 小説のエッセンスとしてオタク、コミケ、BL・腐女子が入ってきており、読み始めたときは「こんな要素いるのか?」と思いましたが、まあこういのもたまにはいいかな・・・と。

 前出2作と比べると毛色は違いますが、これも一応お仕事小説ということでご紹介しました。

 

 

 

小説の記事一覧はこちら

comprehensive-lifehack.hatenablog.jp

 

 

てんらい