スケールのでかすぎる小説! Vol.02

 

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こんにちは。てんらいです。

 

 

最近、“〇〇10選!”や“集めてみた”といった記事ばかり書いていたので、ただひたすらに好きなことだけを書きたくなってきました。

ということで、今回はスケールの大きい小説を1冊だけ。

第2弾ですね。今回も、、、でかい!です。

 

 

↓前回の記事

 

comprehensive-lifehack.hatenablog.jp

 

 

 

ジェノサイド

(角川文庫 著:高野和明

 

 

 

 

出ました!ジェノサイド。いやー、大好き。

 

1.序盤のとてつもないワクワク感

 民間の軍事会社に傭兵として働く男が「人類全体に奉仕する仕事」だというメッセージと共に謎の任務を依頼されることからストーリーが始まります。

 そして、これとほぼ同時に展開されるのが、薬学を学ぶ日本の大学院生の話です。父親が残したメッセージに基づき行動していくうちに、ただの大学院生の日常が刻一刻と不気味に変わっていくので、ワクワク感が止まらないです。うだつの上がらない研究者だと思っていた父親は何を息子に託したのでしょうか。

 そして、この時点では遠く離れた傭兵と日本の学生がどのように結びつくのか、それとも結びつかないのか想像もつきません。

 

 

2.人類の危機と多様なテーマ

 この小説のタイトルは“ジェノサイド”。日本語に直すと“殺戮”といったところでしょう。では、誰が誰をジェノサイドしようとするのでしょうか?

 ルワンダで起きたフツ族ツチ族で起きたような民族同士の争いをイメージされる方は多いかもしれません。もちろん、この小説にはそういった側面が描かれています。それも目を背けたくなるような描写で。

 

 ただ、この小説で語られるのはそれだけではないんです。ジェノサイド・・・人類の危機。誰が人類を危機に陥れるのか?読んで確かめて。

 

 また、この小説はそういった歴史に残る大虐殺だけでなく、戦争ビジネス、病的な政治的思想、人類の〇〇(本質過ぎて言えない)、生物学的テーマ、創薬に至るまで、本当に大風呂敷を広げ、破綻することなく見事に描き切ってきます。凄い。

 

 

3.個人的に好きなシーン

 二人の大学院生の「最悪の場合と最良の場合」のやり取りに胸が熱くなります。上巻の終わりがけです。もうこの時点で二人をひたすらに応援したくなります。

 

なお、ルワンダで起きたジェノサイドについて先述しましたが、これに関する本がいくつか出版されています。

 

 

 生かされて

PHP文庫 著:イマキュレー イリバギザ スティーブ アーウィ)

 

 

ジェノサイドの丘

(WAVE出版 著:フィリップ ゴーレイヴィッチ)

 

 

 なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか

(風行社 著:ロメオ ダレール)

 

 

 

映画で好きなのは、これ。

テルルワンダ

 

 今回はこのへんで。

 

 

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てんらい