こんにちは。てんらいです。
今回取り上げるのはこちらの小説です。
暗幕のゲルニカ
1.小説の中心となるピカソのゲルニカ
小説の中心となるのは、題名にも記載されている通り「ピカソのゲルニカ」です。美術の教科書にも載っているので誰もがどのような絵画かはご存じでしょう。いわゆる反戦絵画で、スペインのバスク地方にあるゲルニカという村が無差別爆撃を受けたことを知ったピカソが描きました。
まず、ゲルニカの概要についてです。
●作者 :パブロ・ピカソ
●制作年 :1937年
●メディウム:キャンバス、油彩
●大きさ :縦3,490mm 横7,770mm
●収蔵 :ソフィア王妃芸術センター
注目すべきは、その大きさ。とにかく大きいです。
実は私、ゲルニカを直接この目で見たことがあります。(ちょっと自慢)
ゲルニカが収蔵されているソフィア王妃芸術センターはスペインのマドリッドにあり、私は約10年ほど前に訪れました。縦が約3.5m、横が約8mもあるので、とにかくその大きさに圧倒されました。
また、ゲルニカだけ絵画の左右に警備員が常駐しており(2011年当時)、やはり扱いが他とは違いましたね。写真はNGだった(はず)ので絵画事態は撮っていませんが、ソフィア王妃芸術センターの外観は撮っていたので載せておきます。
2.反戦の象徴であるゲルニカに暗幕が掛けられた?
国際連合のロビーにはゲルニカのタペストリーが飾られています。(タペストリーですが、ピカソの指示により作られたものなので、一応正式な作品です)
このピカソのタペストリーが、イラク空爆の表明の際に暗幕で隠されるという出来事がありました。これは実際にあったことです。
なぜ、暗幕がかけられたのでしょうか?
この小説では、この出来事に着目してストーリーが作られています。
3.二つの時代の話が同時に進む
この小説では二つの時代の話が同時に進行します。
一つは、ピカソがゲルニカを手掛けた時代の話。もう一つは、現代においてゲルニカの持つメッセージを広めようと奮闘するキュレーターの話です。
ピカソがどのような思いをこの作品の込めたのか、その思いが現代の人々にどのように届くのか・・・なぜ、ゲルニカに暗幕が掛けられてしまったのか・・・詳細については是非とも読んでみていただきたいですが、時代を超えた二つの話がどのように完結するのか・・・期待は裏切らないと思います。
史実以外はもちろんフィクションなのですが、まるで本当にあった出来事のようにリアルに感じられ、作品に惹き込まれてしまいます。本当に良い。
4.一枚の絵の持つパワーを感じよう
この小説を読むだけでも、ゲルニカの持つパワーを知ることが出来ます。しかしながら、直接ゲルニカを見た者としては、是非とも直接ご覧いただくことをおすすめします。
凄まじいパワーですよ。本当に。
5.余談
完全に余談ですが、ピカソの本名はご存じですか?
パブロ・ディエゴ・ホセ・サンティアゴ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピアーノ・デ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ です。笑
長い・・・。
ちなみになぜこんなに長いのかというと、キリスト教の洗礼名で親戚やら聖人の名前やらが入っているからのようです。ピカソ本人も覚えていなかったみたいな話を聞きますが、実際どうなんでしょうね。
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comprehensive-lifehack.hatenablog.jp
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