重厚な社会派ミステリを味わえる小説10選! Vol.02

 

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こんにちは。てんらいです。

以前、書いた社会派ミステリ15選の第2弾です。

 

↓前回書いた記事

comprehensive-lifehack.hatenablog.jp

 

 

 

 

1.第三の時効

集英社文庫 著:横山秀夫

 

 時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグが生じることから、F県警はこの間に容疑者を追いつめようとする話です。しかしながら、タイトルは「第三の時効」です。「第三」とは・・・?

 伏線の張り方も素晴らしいし、ミステリの質も横山さんの小説の中で一番好きです。

全体構成も捜査一課を6つの短編から描き出す少し変わったものになっていて良い。

個人的に傑作だと思っています。

 

 

2.火車

新潮文庫 著:宮部みゆき

 

 休職中の刑事が遠い親戚の婚約者の行方を探すことから話が始まります。しかしながら、その婚約者は自ら失踪、しかも徹底的に足取りを消していることから、なぜそこまでしなければならなかったのか、その理由が今回の小説のカギとなっています。

 

 

なお、映画にもなっています。

 

 

3.マークスの山(上、下)

新潮文庫 著:高山薫

 

 

  山の中で起きる殺人事件が発端です。1993年に直木賞を受賞しています。 

 文章がすごくいいなと個人的には思います。知識も深いですし、想像が広がるような書き方が良いな、と。ただ、上巻で散りばめたフラグをあまり回収出来ていない感が正直あり、この終わり方は賛否分かれるところではないでしょうか?

 

 ちなみに、単行本からだいぶ改稿されているので、単行本と文庫本でも好みが分かれると思います。

 

 

 

4.冤罪死刑

講談社文庫 著:緒川 怜)

 

穏やかではないタイトルですねー。

内容はタイトルが示している通りなのですが、3年前に犯人逮捕で終結したと思われた、少女誘拐殺人事件が、冤罪スクープを追う記者と弁護士により、衝撃の新事実が浮かび上がります。次々と展開が進んでいく感じは個人的に楽しめました。

 

 

5.灰色の虹

 (新潮文庫 著:貫井徳朗)

 

 簡単に説明すると、冤罪で服役していた男が当時の関係者に復讐を行う話。700pを超える長編で、内容と読後感はまさに重厚。

 

 

6.パーフェクトブルー

創元推理文庫 著:宮部みゆき

 

  宮部みゆきさんの長編デビュー作。後の宮部さんの作品の方が、やはり上手いなと感じてしまいますが、デビュー作でこのクオリティですか!という驚きの方が大きいですね。高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ殺されるという割とショッキングなスタート。そして、突然犬が語り出すという斬新なスタイル。物語はそのまま犬の一人称視点で進みます。

 

 

 

7.修羅の家

講談社 著:我孫子武丸

 

 

 某監禁事件を彷彿とさせる小説です。ミスリードは効いていて面白いですが、胸くそ悪い内容でもあるので、読む人は選ぶかもしれません。

 著者はゲーム「かまいたちの夜」の脚本も手掛けている我孫子さんです。近年でしたら「殺戮にいたる病」が有名ですね。

 この本の帯には「殺戮にいたる病」を凌駕すると書いてありますが、個人的には殺戮に~の方が衝撃度は大きいかなという印象です。

 もし、どちらも読んだことがない方は修羅の家から読むことをおすすめします。

 

 

 

8.ロスト・ケア

光文社文庫 著:葉真中顕)

 

介護現場のリアルさと、介護制度の穴、そして殺人・・・。

私たち皆の未来に対して、重い現実を突きつけてくるような小説です。読む価値あります。

 

 

9.デフ・ヴォイス

(文春文庫 著:丸山正樹)

 

 生活のために手話通訳士になった荒井が、ろう者の法廷通訳になったことからストーリーが展開します。手話が2種類あるということを、私はこの小説で初めて知りました。

 

 

 

10.闇に香る嘘

講談社文庫 著:下村敦史)

 

 中国残留孤児、全盲、臓器移植と、この話どう展開するんだと感じで読めました。

結構堅めの社会派小説です。2014年に江戸川乱歩賞を受賞しています。

 

 

 

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てんらい