スケールがでかすぎる小説!Vol.01

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 こんにちは。てんらいです。

 一人の人間が一生かけたとしても、読みきれないほど、世界は本で溢れていますね。

だからこそ、良い本に出会うことは重要ですよね。ですよね??

しょーもない、、、自分に合わない本を読んでいる場合ではない。

 

 私自身、幼い頃から本がそれなりに好きで、そこそこの数は読んできましたので、メジャーなものからマイナーなものまで、お気に入りの本をご紹介できればと思っています。

 

 で、せっかくまとめるなら何かしらテーマ毎に絞れたらなーと思い、本日はタイトルにある通り「スケールのでかい小説」を独断で選んだので紹介します。

何冊も書くと、記事が長くなってしまうので今回は1冊のみです。

 

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天地明察(上、下)

(角川文庫 著:冲方丁

 

 

 

 

てんらい大好き、冲方先生ですねー。これはの話でございます。

暦とはなんぞや?という方もいらっしゃるかもしれませんが、みなさんが当たり前に使用されている西暦、これは暦の一種なんですねー。

 

いや、一種って。西暦以外何があんねん。とお思いかもしれませんが、

日本が西暦というものを用いるまでに、実は色んな暦を採用してきているんです。そして、何度も実際の天行(星の動き」とずれるという経験を繰り返してきています。

 

例えば、暦では今夜は満月と記載されているのに空を見上げると

「三日月やんけ!」

みたいな感じです。(ここまでずれることは実際無かったと思う)

 

 

で、本題ですが本作は、渋川春海という実在する天文に人生を懸けた男のお話です。

 

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wikipediaより引用。『天文大意録』(鳳晴堂光正著、1826年頃)に記載されたもの。

 

 当時すでに800年も使用され、実際の天行から完全にずれていた「宣明暦」

これに終止符を打ち、新たな暦を生み出すために人生をかけた渋川春海

 暦を統一することは物事の全てを司ることであるため、ただ学に秀でているだけではなし得ることが出来ず、朝廷と幕府のバランスにも配慮する政治力も問われるんですね。それをなし得るまでの奮闘が軽快な文体で見事に書かれています。

 

 ちなみに、この時制定された「大和暦」ですが、70年ほどで宝暦暦に改められてしまいました。それも幕府の天文方の力が朝廷より弱く、主導権を取られてしまったことが一因とのことで、政治と切り離せないほど、スケールの大きい事柄だったことが垣間見えます。

 まあそれも当然ですよね。今日が何月何日で、会社や学校の休み、お正月やら誕生日やら、大安仏滅、何でもかんでも全て暦に支配されているわけですからね。ただの学問で終わらせられないんですな。

 

上下巻なので、ボリュームはそこそこありますが、読んでいてしんどくないので是非。

 

 

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てんらい